カチカチ

「宇佐義君。またわしは最近よくばぁさんの出てくる夢をみる。。。」
突然、じいさんは自分の夢について語った。
自分の夢の話などまともに聞いてもらえる人がいないじいさんにとって宇佐義は唯一話を聞いてもらえる相手。
いつも見る夢はばぁさんは酷く悲しみのオーラに包まれて、そしてまるで復讐を・・・っと言っているような夢らしい。
「ばぁさん。いつも自分は事故で死んだんじゃない、あいつに殺されたんだ。。。っていうんじゃよ。でもいくら警察に言っても老人の話など聞こうともせん。」
宇佐義は黙ってじいさんの話を聞いていた。
世間ではこういう話はじいさんが「ボケた」やら「もう年だから」とか「現実逃避」やら言われるんだろう。でも俺はそんな風には何故だか感じられなかった。
そもそも食事の時間帯ではなかったし。。。
俺もじいさんに少しづつだが聞くにしたがって共感し始める。
「そっか。。。じいさん、俺少し調べてみるよ。なんかばあさんきっとじいさんに一生懸命訴えてるんだよ。もしかしたらばあさん本当のこと教え様ってしているのかもしれないし・・・。」
僕はじいさんとの話を考えながら待たせている田抜のもとへ走っていった。
ばあさん殺しの犯人がまさか友人でもある田抜だとは知らずに。。。


続く
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