闇の歌

―2―
「アル・・・大丈夫よ・・・今日は調子がいいの・・・」
母親はアルと呼ばれた少年の頬を触り微笑む。
「だめだよ、母さん!!お医者様が言ってただろ・・・僕が全部やるから母さんは寝ててよ・・・」
アルは母親を寝かせると、買い物カゴの中に入ったパンを取り出した。
「母さん!!今日はたくさん売れたよ♪パンもいつもの倍以上買えたし・・・」
アルは鍋に水を入れスープを作りはじめた。
「アル・・・ごめんね・・・」

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