レクイエム〜裏切りのジェシカ〜
―10―「いらっしゃいませ。」
いつもの愛想の良い店員の女性があたしに声を掛ける。
・・・あたしがこの店を愛用する訳の一つがこれだ。
あたしみたいに『闇に生きる人間』には、眩し過ぎるくらいのこの子の笑顔は、あたしに一時の安らぎみたいなものを与えてくれる。
・・・いや、別にあたしがレズな訳じゃなくて、この子は死んだ妹にどことなく似ているから・・・だから・・・まるで妹が生きてるような・・・そんな錯覚で一時の幸せを感じる事ができる・・・。
あたしは、この子が作ったであろう、サンドイッチを買い、店を出ようとした・・・。
その時!!
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